小久保よしあきボイストレーニングスタジオ

よくあるご質問(発声編)

カラオケで声が通りません、なぜでしょうか?

話し声ではさほど悩んでいないけど、カラオケ行くと全然聴こえない!というケースです。

話し声で悩んでいる方は、こちらのQ&Aをご確認ください。

まず、あなたの悩みが次のどちらに分類するか考えてみましょう。


  • ①歌唱時の発声バランスが崩れている

  • ②歌唱時の発声バランスは適切なのに、声が通らない

自信もって②だと思う人は、あまりいないでしょうね^^;

ほとんどの人は①だと思います。

優先して改善すべきは「①歌唱時の発声バランスが崩れている」です。

「カラオケで声が通らない!」一番の原因とは

甲状披裂筋が弱い

カラオケで極端に声が通らない場合、甲状披裂筋が弱い可能性があります。

甲状披裂筋とは、≒声帯そのものです。声帯がしっかり働くと、低音から芯のある力強い音を作る手助けとなります。なので、カラオケで聴こえるようになってきます。

ここまで聞くと、「じゃあ自分は甲状披裂筋ってのが弱いんだ!一体どうやって強くするんだろう??」と思うかもしれませんが、実はほとんどの人が、弱くない状態の発声を知っています。なぜなら、しょっちゅう自然とその状態で発声しているはずだからです。

それは、話し声を出しているとき。

誰かと会話しているとき、大体の場合は甲状披裂筋が十分なエネルギーを出せています。過剰でもなく、弱すぎることもなくです。

それが歌声になると、発声時に必要なだけの甲状披裂筋の力が出せていないのです。

これは意外かもしれません。

なぜなら、歌っているときの方が一生懸命頑張っている気がするからです。

でもその頑張り、苦しい感じだったり、不自然な感じがしていませんか?

良い発声を作っていく上で重要な考え方として、「発声はバランスである」というのがあります。あらゆる発声に関わる器官のバランスを、ちょうど良くするようなイメージです。

実はそのバランスが崩れているから、苦しい感じ、不自然な感じ、頑張っている感じがしているのです。

一度その正しいバランスの発声を歌でやってしまえば、その意味がわかります。大きな声が出ているのに「楽です」と口に出ます。

あとは、その発声を当たり前にしていきます。

その当たり前化していく過程で「頑張る」必要が出てきますが、、間違った発声のときの頑張りとは全然違う、「意味のある頑張り」「価値のある頑張り」です。

※これは甲状披裂筋の運動が不足しているケースのお話ですので、この解説で違和感を感じる人は必ずボイストレーナーに声を確認してもらってください。

あなたの歌声が大きくなり、カラオケでマイクのボリュームを調整されないようになることをお祈りしております!

<発声のバランスは良いのにカラオケで声が抜けない理由

自信をもって「自分は発声のバランスが良い」と自己判断できている人はいないと思いますが、、自信なくても良い発声の人もたまにいるので、書いてみます。

ちなみに発声のバランスが良いとは、甲状披裂筋が使えている、だけではないですからね。非常に多様にありますが、ここでは話がそれるので割愛します。

曲のボリュームがでかすぎる

まず外的な要因から。ほとんどの場合、カラオケで全然声が抜けない原因は、曲のボリュームがでかすぎるだけかもしれません(^^; 。 発声のバランスが良い場合は。発声に自信があるなら、自信をもって曲のボリューム下げましょう。大きい声だけが正義ではないです!(笑)

尚、注意してほしいのは、これはカラオケのような単純な音響設備のお話です。音楽スタジオやライブとなると、ボリューム調節は単純な話でなくなります。この点については、別に改めて書いてみようと思います。

もっと甲状披裂筋や声門閉鎖のエネルギーを使えるようにする

続いて発声的な要因について。1つは、「発声のバランスは良いといえるが、もっと甲状披裂筋や声門閉鎖のエネルギーを使うようにする必要がある」という状態です。言うなればビルドアップです。

この場合、バランスを崩さないように、甲状披裂筋や声門閉鎖の要素を増やしていくトレーニングを行います。バランスが崩れるとうまく行きません。簡単に崩れてしまうレベルの人は、まず現状の発声バランスのクオリティを上げる必要があるでしょう。

歌声フォルマントが弱い

2つ目は、抜けに必要なトーンが出ていない場合。非常に難しい話になりますが、歌声フォルマントが弱い可能性があります。歌声フォルマントとは、3kHzあたりに集中する音響エネルギーのことです。

たとえば、オーケストラに負けない強烈な歌声を喉を傷めずに出すオペラ歌手は、この歌声フォルマントの強調に長けています。

この歌声フォルマントについても、いずれ書こうと思います。

声が通らない原因がこれである場合、共鳴腔の微妙なコントロールが必要です。現時点では、甲状披裂筋や声門閉鎖の運動を自由にコントロールできる段階で、共鳴腔の微妙なコントロールに向き合うべきと考えています。しかし、歌声フォルマントの仕組み的には、筋運動的な要素を無視しても強調できる可能性があるため、一概には言えません。

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