よくあるご質問(発声編)
話し声が出しにくくて悩んでいます、どうすればよいですか?
話し声の改善を目的にレッスンにいらっしゃる方が増えてきて、実際にボイストレーニングの効果が確認できるようになりました。
いくつかのケースに分けてご紹介します。ご自分の声にあっていると思う解説を参考にしてみてください。
ジリジリした声
非常に声門閉鎖が強いケースです。ぐっと声門を閉じた過緊張状態で声帯を振動させるため、倍音は出るのですが、金属音のように聞き苦しく、固く抜けが悪いです。
自分の声が嫌い、喉が枯れやすいと感じている人が多いです。強く出そうとすると更に声門閉鎖が強烈になりやすく、声帯結節などの原因にもなりかねません。
この場合、過剰な声門閉鎖が原因ですから、声門閉鎖を緩めた発声に慣れていって頂きます。
声門閉鎖に対しては、主に息を流しやすい子音を活用して緩めていきます。最終的に自然会話の時でも閉鎖が緩むことをゴールとします。
こもった抜けの悪い声
甲状披裂筋や声門閉鎖が充分働いていないケースが多いです。声帯に必要なテンションがかかっておらず、息漏れが聴こえます。呼気自体が強いケースも多いです。声帯の振動のさせ方に不具合があるようにも聴こえます。
この場合、呼気を抑えやすい子音を活用して声門閉鎖を優勢にしたり、甲状披裂筋を働かせやすい母音を活用して調整していきます。
このケースは、そもそも声帯自体に先天的な特徴がある可能性もあります。声帯溝症(声帯に溝がある=声帯が細い)などです。この場合、そもそも充分なテンションを作ることが困難です。気になる方は一度音声外来を受診されることをおすすめします。
しかし、声帯溝症であっても、通常と変わらぬアプローチで発声開発に成功しています。その診断結果ありきですと、発声開発のイメージがしやすいです。
あるきっかけから出にくくなった声
もともと話し声に悩んでいなかったのに、何かをきっかけに話しづらくなってしまったケースです。ライブ、飲み会、仕事(保育士、教師、スポーツインストラクター、セミナー講師など)、不適切なボイストレーニングなどが考えられます。
まず、必ず病院にいきましょう。直接声帯を診てもらって、ダメージが残っていないか確認してください。ほとんどの場合声帯に何か起きていて、ボイストレーニング以前の問題です。むくんでいる程度でしたらマシですが、声帯結節やポリープは厄介です。それ以上悪化させないように、必ず医師の診断に従い回復を試みましょう。
そして回復後も、決して同じ発声を行わないように注意することです。また同じことを繰り返し、病院のお世話になってしまいます。特に仕事が原因の方は要注意です。職場環境が変わらないと、発声も無意識に同じ状態に陥りやすいです。(大声出しすぎている保育士さん多いです!)
そして、声帯自体には何もなかった場合。「ジリジリした声」「こもった抜けの悪い声」に当てはまらないか考えてみてください。それらの発声にやや偏ってしまった、という可能性も考えられます。
他にもいろんなケースがあると思いますが、経験のあるパターンをまとめてみました。